マーケティング領域へのデシジョン管理システムの活用①

James Taylor

マーケティング活動に対するデシジョン管理システムの利用は、徐々に一般的になってきています。過去において、デシジョンの価値はデシジョン管理システムの採用を正当化するものでしたが、現代のプラットフォーム技術と事前に構成されたデシジョン管理システム(訳者注:特定業務向けにルールが前もって定義されているアプリケーション)の増加により、1つ1つのデシジョンの価値が低くても利用価値が高まってきました。たとえば、良いクロスセルと悪いクロスセルのデシジョンの違いはあまり重要視されていませんでしたが、良いローン審査と悪いローン審査の違いは何十万ドルの結果の差異をもたらします。

 

顧客に焦点を当てた組織は、ネクスト・ベストアクションやネクスト・ベストアクティビティとして知られるアプローチに対して徐々に取り組むようになっています。このようなアプローチは、組織が顧客に向けて取られる全てのアクションの検討を含むものです。それは、クロスセル・オファー、顧客嗜好に関する情報収集、顧客が所有しているプロダクトの利用方法などであり、長期的な顧客価値に基づく顧客との交流に対する機会を約束するものです。単にプロダクトやサービスを提供するだけでなく、アクションへのフォーカス、一元管理への要望、ベストアクションの選択のシステマチックな改善は、デシジョン管理システムに対するニーズを加速させます。

 

ターゲット・マーケティング

企業は、マーケティング活動をより適切かつ標的を定めたものにしようと努力します。それは、分析技術を使って既存顧客や見込顧客をセグメントに分割し、各々のセグメントに焦点を当てた個別メッセージを送ります。全ての対象者を効果的にターゲティングするためにビジネスルールと予測分析技術を組合せるこのアプローチは、デシジョン管理システムに依存することになります。全ての消費者に同じオファーを送る総花的なキャンペーンに取って代わるニーズは、デシジョン管理システムの必要性を促進することでしょう。

 

ネクスト・ベストオファー

伝統的なマーケティングに対するデシジョン管理システムは、顧客に対するネクスト・ベストオファーを推定することです。このシステムは、予測分析モデルと同様に、顧客に対するベストプラクティスとコンタクトのためのルールを提供するものです。それは、顧客の購買嗜好の観点より、どのプロダクトが顧客に対する「ネクスト・プロダクト」として最も適切なものかを決定するためのものです。これは、プロモーション活動を促進することでしょう。

 

クロスセル

ネクスト・ベストオファーのアプローチに関連しますが、これはクロスセルを推進するためのデシジョン管理システムの活用です。企業は、コールセンターにおける適切なクロスセル・オファーを指示するためにこれらのシステムを構築し、オンラインプロセスの中でそれらを実行しています。店舗内でそれを活用している企業もあるでしょう。改善されたクロスセルは、より高いバスケットバリュー(訳者注:買物カゴの中の購買品の総額)を促進し、顧客ロイヤルティを改善することができます。これらのデシジョンは、プロダクトラインやビジネス部門をわたって管理され、一元的に管理されたシステムの価値を高めます。

 

アップセル

企業は、顧客へのアップセルに対するプロダクトを明確にするために、デシジョン管理システムを使うことがあります。それは、顧客が現時点において買おうとしているものより収益性の高い、あるいは自社にとって望ましいプロダクトを提供しようというものです。これらのシステムは、顧客に受け入れられそうなプロダクトを予測するために、分析技術と組み合わせたルールベースのシステムへの進化しつつあります。それは、顧客を苛立たせる場合にはアップセルがなされないようにすることが目的です。

 

次回は、残りの4つの活用領域について議論していきます。

(James Taylor)

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James Taylor氏は、米国Decision Management Solutions社のCEOであり、ブレイズ・コンサルティングのパートナーです。当ブログ記事は、本人の許可を得て翻訳したものです。