ビジネスマンのためのビジネスルール入門⑥

k.shirai

前回は、ビジネスルールが本来備わっている本質的な側面からのビジネスルールの分類をご紹介しました。ところで、ビジネスルールはどこに存在するのでしょうか? あるいは、潜在的なビジネスルールの拠り所はどこにあるのでしょうか? これが今回のテーマです。

 

ビジネスルールはあらゆるところに存在する

このシリーズの第2回目で触れましたが、ビジネスルールの基本的な拠り所となるものはビジネスポリシー(例.プロダクトマニュアルやオペレーションマニュアルなど)です。日本におけるBRMSプロジェクトは、これらのビジネスポリシーとしてのドキュメントからビジネスルールを抽出することが多いかと思います。あるいは、現在稼働しているレガシーシステム内のプログラムコードからルールを抽出する、いわゆるリバースエンジニアリングを試みるプロジェクトもあるかと思います(これが良い方法であるかどうかは別ですが)。

ビジネスルールの拠り所
(図をクリックして拡大)

特定の業務領域によっては、明文化されていない暗黙知的なルール(あるいは潜在的なルール)というものも存在します。典型的には、業務エキスパートの頭の中(例.保険会社における社内ドクター)、ビジネス現場のベストプラクティス(例.コールセンター内における顧客対応の知恵)などがこれに相当します。これらの暗黙知的なルールを引き出すためには、適切なインタビューテクニックやルールとして体系化するためのアプローチを必要とします。

 

さらに、企業が保有する大量のデータ(特に顧客属性や取引に関する情報)から、将来起こり得る傾向に対応するための行動指針をルールとして導出する方法が注目を浴びるようになってきました。いわゆるビジネスアナリティクスの領域です。もっとも有名なものには、米国FICO社が提供するスコアカードがあります。クレジットカードやローンを提供しているリテール金融業界の多くは、申込顧客の属性などからスコアカードを使って延滞リスクを点数化しています。最近では、米国の小売り企業であるTarget社が、女性顧客の購買行動の変化から妊娠確率を推定する「妊娠スコア」を構築したことが話題になりました。妊娠スコアが高い顧客に対して、まとめ買いのクーポンを配布するという販売促進活動に大いに役立ったようです。

 

前々回ご紹介したOMG(オブジェクト・マネジメント・グループ)のDMN(デシジョンモデルと表記法)では、これらのビジネスルールもしくは業務オペレーション上の意思決定の拠り所は、「知識ソース」として定義されることになっています。もちろん、これらの知識ソース全てから、ITで実行可能なビジネスルールを抽出できるかどうかは保証されたものではありません。ただし、ビジネスオペレーション上のデシジョンが、何を拠り所にしているのかを明確にすることは重要であると考えます。

 

(マーケティング担当:白井)

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