ビジネスマンのためのビジネスルール入門⑦

k.shirai

前回は、「ビジネスルールの拠り所はどこにあるか?」に関してお話しいたしました。今回は、ビジネスルールの構造の中身について考えてみたいと思います。

 

ビジネスルールはビジネス用語によって表現される

当然のことながら、ビジネスルールの基本はビジネス用語を使って表現されることにあります。したがって、日常の業務で使われるビジネス用語を正しく定義しなければなりません。私の経験で申し上げますと、複数の事業ラインをもつ大きな企業においては、同じ言葉であっても部門によってニュアンスの異なる意味で使われたり、異なる言葉が同じ意味で使われたりすることがあります。さらに、企業同士が合併する際、使用する言葉の意味や定義に苦労するケースがあるでしょう。できれば、略語や同義語を含めてビジネス用語集を作成することが大事です。

 

正しいビジネスルールを書くために、最初に取り組まなければならないことは、日常のビジネスで使われる主要な「ビジネス概念」を明確にし、それを正しく定義することです。人に関するもの(例.申込者、請求者、担当者)、取引に関するもの(例.注文、契約)、販売や提供されるもの(例.プロダクト、サービス)などは最も基本的なビジネス概念です。それらのビジネス概念に必要な属性(例.注文に対する注文日、注文金額など)も必要です。

ファクトモデル
(図をクリックして拡大)

ファクト(事実)を表現する

次にしなければならないことは、ビジネス用語間の関係を動詞によって結び付けることです。この動詞によって結ばれたフレーズはファクト(事実)と呼ばれます。これは、大きく分けて3つのタイプに分類することができます(図をご参照下さい)。1つ目は「レンタル申込者は、レンタル契約に責務がある」というように、一般的な動詞によって結び付けることができます。2つ目は「予約は、レンタル契約の状態の1つである」のように、ビジネス概念とその種類や状態を表すものです(英語でいえばisという動詞)。3つめは「予約は、レンタル日付をもつ」のように、ビジネス概念とその属性を表すものです(英語でいえばhasという動詞)。専門用語でいえば、1つ目はエンティティ間のリレーションシップ、2つ目は親エンティティと子エンティティ、3つ目はエンティティとその属性ということになります。

構造化されたビジネスルール
(図をクリックして拡大)

コンピューターでも理解できるビジネスルールを表現する

主要なビジネス概念とファクトが明確になったら、ITによって自動実行可能なビジネスルールを記述することができるようになります。次のサンプルで考えてみましょう。

  • 「顧客の注文金額が1万円以上で顧客のタイプがゴールド会員であれば、注文総額から5%を割り引く」

コンピューターに理解してもらうために、このビジネスルールを表すステートメントを分解してみましょう(表をご参照下さい)。条件を示すファクトは条件ファクトタイプ、結論を示すファクトは結論ファクトタイプと呼ばれます。さらに、演算子(例.真偽、不等号、日付、リスト、計算式)や演算数(属性の取り得る値)を明確にします。

 

これでしたら、コンピューターにもこのルールの意味を分かってもらえそうですね。

 

(マーケティング担当:白井)

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