BPMS/BRMSを用いた設計②

m.fukasawa

なぜ、システムは30年間動いたか?

システムを構築してから30年間も動いた例は、保険会社では、ほとんど例をないと思います。もちろん、30年間の保守作業は並みたいていではなかったと思います。なぜ、30年間動いたのでしょうか。基本設計時の考え方がよくできていたからだと思われます。今、BPMSやBRMSという新しいアーキテクチャーが生まれていますが、この設計の考え方はこれらのアーキテクチャーを取り入れるためにつくられた考え方だとさえ思われます。

 

ブログの最初に、なぜ、30年間システムが動いたかを述べていきます。次にBPMSとBRMSをどのように活用するかを、「口座振替請求」を基に実際の仕様書事例をあげます。その仕様書からBPMSの使い方、BRMSの使い方というように具体的な説明をしていきます。

 

「部品化」と「ビジネス・フローとビジネス・ルールの分離」

この保険会社では、以前のシステムでは3年単位程でシステムの全面改定を行っておりました。会社の成長にシステムがついていけない状況になっていたため、全面改定をしなければならない状況でした。その中でも、請求処理は会社の成長に合わせ提携先が拡がっていくとう状況でした。なぜシステムが短命であるのか。その主な原因は、新しい提携先と早く結ぶという、ユーザーの要望に対応できない状況にシステムが陥っていることでした。

 

システム機能の追加が、早く容易にできること。しかも、以前に追加したところには、影響を与えないようなシステムの構築が、求められました。そのためには、システムを部品化し、組合せて新しい提携先に対応できる構造にシステムをすること。処理の基本的な流れと、提携先により変わるところを見つけ分離すること(これは、ビジネスフローとビジネスルールを分離することになります)。このような考え方で、システム設計を行いました。システムを構築したのちも、契約件数はのびて、現在では、2000万件を超えている状況です。金融系の請求収納では、たぶん日本で最大のシステムであろうと思います。

 

「ビジネスフロー」と「ビジネスルール」の具体例

このように30年間もつシステムとは、新しく機能を追加することが、容易にできるシステムです。このようなシステムを「成長するシステム」というコンセプトで作り上げました。「成長するシステム」の設計の基本的な考えは徹底した部品化です。部品化する際に、OSを学んでいたことは大いに参考となりました。30年前、部品化を実現させていたのはOSだけです。そして、部品化を進めていくと、業務プログラムでは、ビジネスフローとビジネスルールの分離という考え方でシステムを構築することがふさわしいと思いました。

 

具体的に、保険会社の請求処理の例をあげます。保険の請求処理のビシネスフローは、

  •  失効処理(未入金により契約が失効し請求をださない人の選びだし)
  •  前回請求の情報を集めること
  •  現在の契約情報を集めること
  •  団体を抽出する処理こと(団体扱いの場合)
  •  契約者を抽出すること
  •  団体が異動の知不知を判断すること(団体が連絡してきた異動かどうか判断する)
  •  請求媒体を発行すること(請求書発行と媒体作成)

この処理の流れをビジネスフローとして登録します。ビジネスフローのタスクごとに、どのようなビシネスルールの適用を図っていくかを管理するシステムがあります。たとえば、失効処理において約款では、月払と年払では異なる処理となります。団体扱と個人扱と口座振替扱でも処理が異なります。しかも団体扱いでは、請求の事務取扱マニュアルで、自動に行うのではなく、手動で必ず確認することとなっている団体もあります。失効処理のビシネスルールにも、いろいろなパターンがとあることになります。そのビジネスルールを反映させたもの単位に登録を行います。

 

ビジネスフローを管理する仕組み、個々のビジネスルールを呼出す仕組み、それとビジネスルール単位に作りだされたプログラムこれらをどのように組み合わせるかを考えました。実際にどのように考えたかを、次回示しましょう。

 

(深澤満)

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深澤満氏は、当社のパートナー企業のコンサルタントです。BPMSとBRMSを活用したシステム設計に関する特別連載Blogを寄稿していただくことになりました。