野村克也元監督のID野球とデシジョン管理システム

h.sako

週末の朝早くプラプラと吉祥寺の古本屋に出向き、ドイツの黒パンサンドウィチと珈琲を飲みながら、買い求めた本を1時間程読むのを楽しみにしています。最近、かなりハマり6冊も読んだのが野村元監督の本です。最初に火が付いたのが「監督の器(イースト新書)」でした。

 

野村監督は、若い時カーブ打ちが弱く、当時邪道と云われていた「ヤマを張る」こと、つまり予測することに気づき、それを克服したことが書いてありました。「限界」が「データ分析」を生むというID野球がどのようにして生まれたかも書いてあります。技術の力を超える無形の力の必要さが野球を通して、野村監督の経験、他の野球選手のケースを例にとり、読んだ本6冊全てにこれでもかというぐらい解説してあります。

ヤマを張ることは配球を分析することにつながり、そこで予測してスイングをするが予測が外れる場合もあるそうです。外れた場合のデータを分析して配球の傾向を読み、「繋ぎの谷繁」のような配球パターン(同じ配球を繰り返す)を見つけて、当時の中日を打ち崩したということ興味のある野球の言葉で説明してあります。

 

ぼつぼつ本題に入ります・・・野球グランド上の監督であるキャッチャーには、次のような5つの要素が必要であると書いてあります。

  1. 相手投手や相手チームの情報収集と分析力
  2. 目に見えるものから引き出す観察力
  3. 目に見えないものや相手の心理を読む洞察力
  4. 総合的な判断力
  5. 最善の判断に対して必要とされる知識の集積としての記憶力

以上をID(インポート・データ)という呼び、野村野球の代名詞みたいに云われています。これまでのITシステムの世界でも、情報分析と顧客関係管理(BI+CRM)である程度は実現されていたことですが、これにも限界(過去のデータ分析の限界もあり)がありました。

 

現在は「生きたデータ」の中からリアルタイムな知を求め、知略を練りながら競争優位性を高める仕組みを求めるために、ビジネスルール管理システム(Business Management Systemに他のIT技術を付け加えて、既存の判断ルール(これまでの業務ノウハウ、法律、方針に基づくルール)と予測分析によるルール(膨大なデータから導出される傾向、パターンの新たなルール)の組み合わせとその場での人間の最善の判断(オペレーショナル・デシジョン)と技術力の融合を実践することが野村元監督のめざすID野球の本質です。それは、まさに我々が今後さらに志向すべきITシステムを活用した「ビジネスデシジョン管理システム」です。つまり、自動処理エンジンを核としたビジネスルール管理システム(BRMS)に、他のIT技術であるCEP、予測分析技術等を組み合わせたリアルタイムソリューションをサポートするツールやそのシステムが「デシジョン管理システム」となります。

 

生きているデータと情報を、動いているビジネスの中でいかに速く掴み取り、それを活かすかでビジネスの優劣が決まります。野村元監督も従来のID野球の限界を知り、リアルな情報(バッターボックスに立つバッターの都度の状況)を掴み、過去のデータによる判断とのバランスをとりながら最適な判断をすることが、真のID野球であると言っています。巨人ファンとしては嫌いな監督でしたが、今は一番面白く好きな方で、一度会いたいなと思う人です。

 

(代表:酒匂)