ビジネスマンのためのビジネスルール入門⑨

k.shirai

私たちは、プライベートおよびビジネス領域の如何を問わず、1日に20回前後の意思決定をしていると言われています。たとえばビジネス領域において、B2Bの営業マンは、「この顧客には何を提案すべきか?」、「この顧客からの見積もり依頼に対していくら割引したらよいか?」などの意思決定を日々しなければなりません。部品や素材の購買担当者や商品の仕入れ担当者であれば、「次回はいつ、どれくらいの量を誰に発注すべきか?」などの意思決定をするでしょう。重要な意思決定であれば、複数の選択肢の中から慎重に判断を下す必要があります。

業務オペレーション上の意思決定
(図をクリックして拡大する)

企業組織の中においては、様々な階層にて意思決定がなされます。経営トップであれば、「この企業との合併や提携は行うべきだろうか?」、「東南アジアは経済発展が著しいが、我々はこの市場に進出すべきか?」などの戦略的な意思決定をします。ミドルマネジメントにおいては、組織や予算編成、プロダクトラインの拡大や改善に対する戦術的な意思決定をするでしょう。前述した営業マンや購買および仕入担当者による意思決定は、ビジネスの現場、つまり業務オペレーション上の意思決定ということになります。経営トップの意思決定は、企業の将来を左右する非常に重要な意思決定といえますが、毎日大量の意思決定を即決しているわけではありません。一方、業務ペレーション上の意思決定は、毎日大量かつ繰り返し行われており、リアルタイムでの判断を求められている場合が多くなっています。

 

競争の激化、供給の過多、グローバリゼーションの進展、消費者の多様化、規制の緩和(または強化)といった要因により、業務オペレーション上の意思決定の重要性は増してきています。通信業界を考えてみましょう。30年前には、ほとんどの家庭には同じタイプのアナログ電話機が1台設置されているだけで、通信料金も基本料金プラス従量制という非常にシンプルなものでした。現在はどうでしょうか? 携帯電話の機種は多岐にわたり、通信プランや付加サービスなどを含めるとその組合せは膨大になります。さらに、これらの機種やプランおよびサービスは年数回見直しされています。このような環境で、販売とサービス担当者は「この顧客には何の機種やサービスを推奨すべきか?」、「この機種とサービスの組合せは可能だろうか?」、マーケティング担当者は「他社に乗り換えされないために(あるいは他社から乗り換えてもらうために)どのチャネルを使って何をいつ伝えるべきか?」といった意思決定に取り組んでいかなければなりません。このような日々の意思決定は、通信業界のみならず、金融機関や保険会社をはじめとする他の業界でも同じでしょう。

 

ここ数年、日本においてもBRMS(ビジネスルール管理システム)に注目が集まっていますが、米国においては既にビジネスルール管理からデシジョン管理へとその考え方が進化しているようです。弊社のパートナーであるJames Taylor氏をはじめとする多くのコンサルタントがデシジョン管理の重要性と必要性について唱えていますが、あらためて本Blogにおいても、これら2つのアプローチの違いやビジネスおよびテクノロジーに与える影響などを考えていきたいと思います。

 

(マーケティング担当:白井)

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このブログは、弊社が提供するトレーニングコース「BRMS入門」からの抜粋です。ご関心のある方は、こちらをご覧ください。