ビジネスマンのためのビジネスルール入門⑩

k.shirai

今年も残すところ数日となりました。年末の締めくくりとして、これまで触れてきましたビジネスプロセス、ビジネスルール、デシジョン(業務オペレーション上の意思決定)の関係性や違いについて整理したいと思います。

 

ビジネスプロセス

ビジネスプロセスとは、組織内部あるいは複数の組織にまたがって履行される1セットのアクティビティです。最も粒度の細かい単位のアクティビティはタスクと呼ばれることがあります。言うまでもなく、ビジネスプロセスの要件を決める上で最も重要なことは、アクティビティの実行順序(シーケンス)を適切に定義することにあります。

デシジョンタスク
(図をクリックして拡大)

デシジョン(意思決定)

全てではないにしても、ビジネスプロセス内のいくつかのタスクは意思決定を必要とします。意思決定と日本語で言うと大袈裟に感じるかもしれませんが、「判定する」、「選択する」、「点検する」、「計算する」などの動詞で表現されるタスクの多くは何らかの意思決定を必要とします。たとえば、ゲートウェイ(◇で表されるタスクの分岐ポイント)の前に位置するタスクの多くは、これに相当します。意思決定とは、ビジネス上の目的を達成するために、ビジネスロジックを通じて導き出される結論を意味します。業務オペレーション上の意思決定とそのビジネスロジックの多くは、1セットのビジネスルールから構成されています。

 

ビジネス要件を定義する上で、ビジネスプロセスは1セットのアクティビティ(タスク含む)の実行順序を決める必要があるのに対し、意思決定は1セットのルールの実行順序を決める必要はありません。実行順序というよりは評価される順序と言った方が正確かもしれません。これがビジネスプロセスと意思決定の大きな違いであり、前者が手続型、後者が宣言型と呼ばれる所以です。

 

ビジネスプロセスとデシジョン(意思決定)を切り離す

実際のBRMSプロジェクトにおいて、ルールセット(ルールの固まり)の実行順序を決めているではないかと疑問を持つかもしれません。でもそれは、ビジネス要件の領域ではなくて、システム設計もしくは商用BRMSプロダクトのアーキテクチャーの領域なのです。逆に言えば、実行順序が必要とされるルールは、実はルールではなくてタスクなのかもしれません。実行順序を必要としない意思決定ロジックをプロセス内に無理やり押し込んでしまうと、柔軟性と俊敏性を欠く複雑かつ硬直したものになってしまいます。また、特定の意思決定ロジックは複数のタスク、別のビジネスプロセスから呼ばれることもあります。その意思決定ロジックを切り離しておけば、再利用や共有が可能になります。

 

現代のようなビジネス環境において、ビジネスプロセスの多くは意思決定を必要としています。米国のある調査によれば、保険やリテール金融業界の中核プロセスのアクティビティやタスクの70%前後は何らかの意思決定ロジックを含んでいるそうです。意思決定ロジックは、ビジネスを行っていく上で最もダイナミックな要素です。環境変化と競争が激しい業界においては、ビジネスプロセスから意思決定ロジックを切り離して管理する価値は計り知れないでしょう。

 

(マーケティング担当:白井)

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