ビジネスルール開発を成功に導く作業の要とは②

今回はビジネスルールに含まれるシーケンシャル・ロジックの影響について述べてみたいと思います。

 

ビジネスルールを整理していくと、各ルール間の順序性が必要な場合があります。意識して作業をしないと、順序性が必要なケースに気が付かずに誤ったルールを定義してしまう事があります。簡単な例で説明すると、次の様なリスク判定のルールは順序性が必要となるケースです。

 

  • ルール1:被保険者の趣味がスカイダイビングならばリスクを高く設定する
  • ルール2:被保険者の年齢が30歳未満ならばリスクを低く設定する
規定集1
(図1:クリックして拡大する)
理由はルールの実行順序によって結果(リスクの値)が異なってくるからです。具体的には、ルール1と2の両条件に合致する場合、ルール1⇒ルール2の順序ではリスクが低く設定され、逆の順序ではリスクが高く設定されます。順序をつけて結果が一意になるようにしなくてはなりません。これからわかるように、同じ用語のリスクを複数のルールで更新する場合は注意が必要です。更新する用語が異なる場合は基本的に順序性がないので、ルールの順序を決めなくてもよいはずです。ビジネスルールを整理する場合にこのような傾向のルールがどれくらいあるかを予測しながら作業を進めることがポイントの1つでもあります。たとえば表1のような用語更新タイミングを把握するためのマトリクスなどを作っておくと便利かもしれません。注意すべきルールが含まれる可能性のある箇所が一目でわかります。
規定集2
(図2:クリックして拡大する)

表の中の「場面」とは、デシジョンという単位なのですが詳細は省略します。通常は規約集の節や項に相当するルールの集まりとなります。別の例で、保険の規約集や約款を例にして述べます。ここには、ビジネスルールが文章や表などで記載されていますが、表2のような形式が多く見られます。ここで注意するべきは最後にかかれている注記です。注記の内容は項目チェック系と計算系で扱いが異なります。項目チェック系のビジネスルールでは次のような条件の組み合わせとなりルールは1つで整理できますので順序性はなくなります。

 
  • 主な規約の条件群 かつ 注記の条件群

計算系のビジネスルールでは、主な規約の計算をしたあとに、注記の内容を計算します。逆の場合もあるでしょう。このようにドキュメントからビジネスルールを整理する場合にはドキュメントの構成を理解したうえで取りかかる事がポイントとなります。

今回のポイントをルール整理作業の質を上げる3つの項目にまとめると次のようになります。

  • ビジネスルールの順序性の有無を考慮する(仕組みを使いながら)
  • 更新される用語に注目する
  • ドキュメントの構成を読み取る

これらの点に気を付けるだけでも精緻なビジネスルールを開発することができます。

 

(エンジニアリング担当:白石)

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