ビジネスマンのためのビジネスルール入門⑬

k.shirai

昨年末、業務プロセス改善のための教育とコンサルティングをしている企業の社長とお話しさせていただく機会をもちました。ITコンサルティングというよりは、その前段階における業務プロセス改善の支援が中心のようです。色々と貴重なお話しを伺うことができたのですが、ビジネスルールに関して質問をしたところ、「日本の業務では、ルールはあってないようなものだから..」とコメントされました。「本当にそうなのか?」と考えながら、とりあえずその会社を後にしました。帰りの途中で気付いたのですが、ご説明いただいた事例の多くは製造業の間接業務(総務や人事など)に関するプロセス改善が中心だったことを思い出しました。どうやら、間接業務のプロセスにおいてビジネスルールの統制や自動化の重要性は比較的低いのかも..と考えてしまいます。

 

ダイナミックプロセス

大きな企業であれば、企業内のビジネスプロセスは数百にのぼると思います。それらのビジネスプロセスの中には、企業の外部との交流をあまり必要としない静的なプロセスもあれば、顧客やサプライヤーなど外部利害関係者との頻繁なやり取りを必要とする動的なプロセスも存在します。後者の場合、プロセス内の意思決定タスクの数は多くなり、その意思決定を構成するビジネスルールを統制することの重要性は高くなります。また、そのような外部環境変化に対して、ビジネスルールも迅速に変更しなければならないことも要求されます。

 

プロセスの動的な側面に関しては、ケースマネジメント複合イベントプロセシングといった新しい考え方が米国を中心に台頭しつつあります。たとえば、今日生産する自動車の1台目と2台目の製造プロセスのアルゴリズムはほとんど同じですが、今日発生した1つ目の自動車事故(電柱にぶつけた)と2つ目の自動車事故(高速道路での玉突き事故)では、保険会社の損害調査プロセスはかなり異なってくるでしょう。後者の場合において、各々の事故案件をケースとして扱おうとする考えがケースマネジメントです。ケースマネジメントにおいては、粒度の細かいタスクの実行順序を厳しく管理するよりも、情報の共有や状況に応じた適切な意思決定が求められます。

ダイナミックプロセス

ビッグデータに関するテクノロジーが本格的に活用される時代になれば、企業の外部で発生した様々なイベントを検知し、その機会の利用や脅威の克服のために必要とされるビジネスプロセスを起動させるようなオペレーションの仕組みも必要になるでしょう。こちらの方は、複合イベントプロセシングと呼ばれます。たとえば、株価や為替が乱高下し、重要顧客が自社のホームページ上の金融商品ページに何回もアクセスしている場合は、何らかのケアやアドバイスのためのアウトバウンドコールをするというような金融機関のプロセスなどはこのシンプルな例です。

 

ケースマネジメントや複合イベントプロセシングのどちらにおいても、的確かつ迅速な意思決定、その自動化と統制が企業の成功を左右する時代がやってくるでしょう。もちろん多くの企業にとって、基本的なビジネスプロセスを改善し、管理していくことが先決なのかもしれませんが..

 

(マーケティング担当:白井)

次のBlog

このブログは、弊社が提供するトレーニングコース「BRMS入門」からの抜粋です。ご関心のある方は、こちらをご覧ください。