ビジネスマンのためのビジネスルール入門⑰

k.shirai

昨年10月に少しご紹介しましたが、米国のオブジェクト技術の普及団体であるOMG(オブジェクト・マネジメント・グループ)が、業務オペレーション上の意思決定の構造を可視化するための表記法DMN(デシジョンモデルと表記法)を今月アナウンスしました。

 

今回は、その中身をかいつまんでご紹介したいと思います。まずは、図をご覧ください。一番上位の層は、すでにOMGがリリースしているBPMN(ビジネスプロセスモデリングと表記法)です。BPMNでは、ルールを含むタスクをルールタスクとして定義し、ルールタスクにはそれを表すアイコンが付されていました。今回アナウンスされたDMNは、そのルールタスク内の構造のモデリングとその表記法を定めたものとして理解してよいと思います。

DMN
(図をクリックして拡大)

DMNは、大きく意思決定要件レベル意思決定ロジックレベルという2つの階層から構成されています。1つ目の意思決定要件レベルは、DRG(意思決定要件グラフ)もしくはDRD(意思決定要件ダイアグラム)と呼ばれるチャートを使って表記されます、これは、意思決定ビジネス知識インプットデータ知識ソースという4つのノード、情報要求知識要求権限要求という3つの矢印を使って、特定の意思決定の構造をモデル化しようとするものです。

 

ビジネス知識は、ビジネスルール、計算アルゴリズム、実行可能なアナリティクスモデルのようなものを指します(3つ合わせて広義のビジネスルールと思ってもよいでしょう)。インプットデータは、トランザクションデータやDB参照データのようなものです。知識ソースは、業務方針や外部規制などの知識の拠り所となるものを指します。前回ご紹介したQ-ChartやThe Decision Model同じく、これは意思決定の要件を定義するものですので、ビジネスユーザーからの適切なヒアリングを通じて導かれるものがアウトプットとなります。

 

2つ目の意思決定ロジックレベルに関しては、何種種類かのデシジョンテーブルに対するルールの記述法、FEELと呼ばれる簡易言語が紹介されています。もっとも、デシジョンテーブルだけが唯一のルールを表現するためのメタファーではないことが記されています。

 

ビジネスルールの構造やビジネスルールプロジェクトの進め方に悩んでいる方には、DMNのアナウンスは朗報ではないかと考えます。少なくとも、DRG(意思決定要件グラフ)やDRD(意思決定要件ダイアグラム)は非常に便利なツールとなるでしょう。次回は、その利点について触れていきたいと思います。

 

(マーケティング担当:白井)

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