ビジネスマンのためのビジネスルール入門⑲

k.shirai

意思決定の要件定義(もしくは要求開発)のアプローチの続きです。前回は、デシジョンタスク(もしくはルールタスク)の見つけ方についてお話ししました。次に、その意思決定の内容を説明するステップに入ります。これ以降の作業は、典型的にビジネスユーザーを含めたファシリティセッションを通じて行われます。

意思決定に関する質問
(図をクリックして拡大)

質問と回答

最初にしなければならないことは、その意思決定を説明する上での質問と回答のセットを明確にすることです。意思決定に関する質問は、「このパーツを注文する際、どのサプライヤーを選択すべきであろうか?」というように、なるべく具体的に表現することが望まれます。質問ステートメントが明確になったら、この質問に対する1セットの可能な回答を聞き出すことです。典型的な例として、単純に「イエス/ノー」や「承認する/却下する」のような回答もありますし、「最優先顧客、標準顧客、不良顧客」のような特定の値、リスト内にある値や数字のようなものまであります。

 

ビジネスコンテキスト

次にしなければならないことは、その意思決定に関するビジネス上のコンテキストを明確にし、それに紐付けることです。ビジネス上のコンテキストは、大きく2つに分類されます。1つ目は、意思決定が影響を与えるKPI(重要パフォーマンス指標)であり、これはビジネス目標を達成するために必要な尺度となります。たとえば、ローン審査部門の部門目標が「来季末までに、ローン申込に対する自動審査率を少なくとも80%にする」とすれば、「自動承認されたローン申込件数」や「自動却下されたローン申込件数」などは明確なKPIとなります。ビジネス上の動機や成果に結び付けられていないITプロジェクトは、ITのためのITに陥ってしまいます。超高速開発は確かにIT部門にとって重要かもしれませんが、ビジネスにとっては十分条件ではないのです。

 

2つ目は、組織的なコンテキストです。具体的にいえば、誰がその意思決定ロジックやルールを管理しているのか(例.マーケティング企画部門)、誰がそれを実行しているのか(例.コールセンターや営業部門)、誰がその意思決定によって影響を受けるのか(例.顧客やサプライヤー)を明確にすることです。

 

意思決定に関する質問と回答、ビジネス上のコンテキストを明確にすることは、意思決定の要件定義の最初のステップであり、最も基本的かつ重要な作業でもあります。次回は、意思決定の要件をさらに仕様化するためのステップについて触れていきます。

 

(マーケティング担当:白井)

次のBlog

このブログは、弊社が提供するトレーニングコース「BRMS入門」からの抜粋です。ご関心のある方は、こちらをご覧ください。