ビジネスマンのためのビジネスルール入門 #21

k.shirai

前回は、OMG(オブジェクトマネジメントグループ)の新しいスタンダードであるDMN(意思決定モデルと表記法)による意思決定要件の定義手順について、簡単に触れてみました。ところで、意思決定要件を描写するためには、4種類のノード(アイコン)と3種類のノード間のリレーションシップを示す矢印を使います。1つずつを簡単に見ていきましょう。

DRG/DRDの要素
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4つのノード

1つ目は、意思決定そのもの(長方形)です。意思決定は、何らかのインプットからアウトプットを決定する行為を表します。2つ目は、ビジネス知識です(左上と右下の角が取れた長方形)。これは、意思決定に必要とされるビジネス知識をカプセル化するファンクションを表します。具体的にいえば、ビジネスルールの集合体、計算アルゴリズム、実行可能なアナリティクス(スコアカードのようにインプットとアウトプットが明確にされているもの)などを指します。3つ合わせて広義のビジネスルールと考えて差し支えないでしょう。3つ目は、インプットデータです(左右の側面が丸みを帯びた長方形)。これは、意思決定に必要とされるインプット情報を表します。一般的には、トランザクションデータ、組織内部もしくは外部のDBなどに蓄積されている参照データなどが含まれます。4つ目は、知識ソースです(ドキュメントを示すアイコン)。これは、意思決定やビジネス知識に対する権限(拠り所)を表します。組織内部のビジネスポリシーや当局からの規制、あるいは特定のアナリティクスモデルやそのプラットフォームを指します。

 

3つのリレーションシップ

次に、ノード間の3つのリレーションシップです。1つ目は、情報要求です(実線の矢印)。前回のサンプルで示したとおり、意思決定は典型的に1つ以上のインプットデータや下位の意思決定のアウトプットを要求します。2つ目は、知識要求(点線の矢印)です。ビジネスオペレーション上の意思決定は、一般的にビジネス知識を要求します。3つ目は、権限要求です(丸い先をもつ点線)。たとえば、多くのビジネス知識は何らかの知識ソースを権限、つまり拠り所としています。以上は典型的なリレーションシップですが、DMNではノードとリレーションシップの組合せを9通り定めています。

 

DRG/DRDのサンプル
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DRGとDRD

DMNにおける意思決定要件では、DRG(意思決定要件グラフ)DRD(意思決定要件ダイアグラム)という2つのチャートが使われます。DRGは、対象とする業務領域(1つ以上の意思決定タスク)における意思決定要件の全体像を描写するものです。一方、後者はDRGの特定の側面のみを描写するものです。実際のプロジェクトで使用してみれば分かると思いますが、DRGを描写するとかなり複雑なチャートとなる場合があります。このような場合は、意思決定タスクごとに分割したり、特定のノード(たとえば知識ソース)を非表示にしたりすることができます。これが、DRDとなります。

 

次回は、DMNで示されているケースを元に、実際のサンプルをご覧いただきたいと思います。

 

(マーケティング担当:白井)

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