ビジネスマンのためのビジネスルール入門 #24

k.shirai

前回まで数回にわたり、OMG(オブジェクトマネジメントグループ)の新しいスタンダードであるDMN(意思決定モデルと表記法)を活用した意思決定要件の定義について触れてきました。これを要件定義書としてドキュメント化したら、実際の開発プロジェクトがスタートします。今回は、要件定義で特定されたスケルトンとしてのビジネス知識の中身の仕様を決めることが必要となります。これは、ビジネスルールの発見フェーズと呼ばれることもあります。

ビジネス知識のタイプ

ビジネス知識には、ビジネスルールアルゴリズムアナリティクスという3つのタイプがあります。1つ目のビジネスルールに関しては、第5回目で触れましたとおり、制約ガイドライン推論計算アクションイネーブラといったタイプがあります。2つ目のアルゴリズムとは、平易にいえば計算式です。これには、業界共通の汎用的なものもあれば(例.現在価値)、業界もしくは企業固有のものもあります(例.保険数理)。3つ目のアナリティクスとは、企業が保有しているデータの中から知見としてのルールを導出する解析手法を指します(例.ビールを買った人には、オムツのクーポンを提供する)。アナリティクスは幅広い領域ですので、ここではインプットとアウトプットが定められているものに限定されます。これら3つを広義のビジネスルールとして理解しても問題ないかと思います。

 

ビジネス知識の表現方法(メタファー)

ここでは、代表的なビジネスルールの表現方法をご紹介します。1つ目は、自然言語によるステートメント形式です。2つ目は、デシジョンツリーです。マーケティング領域においては、顧客のセグメンテーション方法として利用されていることも多いかと思います。3つ目は、デシジョンテーブルです。2つの軸(ファクトタイプ)でルールを表記する際には非常に便利です。さらに、スコアカードという表現方法もあります。これは主にアナリティクスの結果を数字(例.スコアや評点)で表すものであり、クレジットカードやローンの審査業務(例.延滞リスクスコア)に多く使われているようです。多くのBRMSプロダクトは、様々なルールの表現方法をサポートしていますので、比較してみてはいかがでしょうか?

ルールステートメント
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デシジョンツリー
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デシジョンテーブル
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スコアカード
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どの表現方法が適しているか?

最後に、どの表現方法が適しているかの3つの基準を示しておきましょう。1つ目は可読性であり、直感的にそのルールの構造が分かりやすいことが重要です。2つ目は検証性であり、ある意思決定をするために必要なルールが不足していないか(完全性)、同じ条件でありながら複数の結論をもつルールがないか(曖昧性)の検証が容易なことです(いわゆるモレとダブリのMECEチェックです)。3つ目は保守性です。ビジネスルールは変更されるものであることを心に留めておかなければなりません。つまり、将来の変更に対して保守が容易な表現方法を採用するべきです。もっとも、既にBRMSプロダクトを使っていたり、採用するBRMSプロダクトが決まっていたりしているようであれば、それに準拠する書き方がよいでしょう。

 

私自身の好みでいえば、洗練された表形式で統一して記述することがよいと感じます。次回は、そのフォームについてご紹介します。

 

(マーケティング担当:白井)

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